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Column

犬種別特徴や健康上の留意点について

2021/07/06

犬はそのルーツや昔の暮らしぶりを知ることで本能的な性質を理解することができます。猟犬、牧羊犬、使役犬は人と一緒に仕事をしてきた犬たちでもあります。


猟犬のルーツと健康

犬種ごとの得意分野を生かした方法で狩猟の対象となる動物の生態や狩猟方法に適合するように品種改良を重ねてきました。
獲物の回収(Retrieve)、獲物の場所を教える(Pointer, Setter)、獲物を追い立てる(Flushing)など、嗅覚(Scents)、視覚(Sight)、聴覚、や運動能力などを活かして「狩り」の補助的な役割を担ってきました。
本能を活用することから運動能力は高く、警戒心も強い傾向にあります。得意な狩猟方法に沿って、時に本能的に動くことがあるので、市街地での飼育にはストレスを解消できる十分な運動量と、早い段階から社会環境に十分慣らし警戒心を取り除くことが大切です。飼い主との信頼関係の構築のもと、しっかりとしたコントールがないと本能的な一面が問題行動として顔を出すこともあります。


牧羊犬のルーツと健康

家畜などの「資源を守る」役割である牧羊犬は広い牧場内をリーダー(飼い主)から発せられる指示に基づき駆け巡ります。群れを守る(Guarding)/誘導(Herding)する仕事をするために小・中型犬が主流となりました。
動くものへの執着が強く、与えられた仕事をすることで牧羊犬の本能は満たされます。
広い牧場を駆け巡る姿を想定した、豊富な運動量と次々に指示を出すリーダーの存在が必要不可欠となります。運動はもちろんですが、市街地で羊の群れを統率する指示は出せません。代わりに、思考能力を使うゲームをすることで本能を満足させると良いでしょう。


使役犬のルーツと健康

役割は「人間社会に役立つ」内容に変化を遂げました。
使役犬の代表的な存在として警察犬、盲導犬、聴導犬などが挙げられますが
特定用途のために、嗅覚、聴覚、運動能力など犬の特性を最大限に引き出す訓練を行い人間社会で密接に関る仕事に携わっています。
このグループに属する犬種たちは集中力・忍耐力・忠誠心が強い傾向にありますので、時にはOnとOFFを切り替えて、仕事から解放することで優れた特性を持続させることが可能となります。
愛犬と向き合う時間を多く取り、主従関係を強くすることは能力を持続させる為に大切なことなのです。

以上、猟犬、牧羊犬、使役犬のルーツに基づいた生活のヒントをご紹介しましたが、体型や犬種特有のものについても見ていきましょう。


体重の大きな犬種(20kg〜)

大きな体重を支えなければいけない中型犬・大型犬は特に膝関節に配慮が必要です。市街地での飼育は舗装された地面の上を歩くことが多い為、関節部分に負担が掛かります小型犬に比べて、中・大型犬は比重量が掛かる為により大きくなる傾向にあります。食事やサプリメントなどを活用して、早い段階から関節ケアに必要な成分の摂取をすることが必要です。加齢が進む、晩年の予防策として早めに行っておきたい項目です。歩行が困難になってしまった大型犬の面倒を見ることは飼い主にとっても大きな負担となってしまいます。


胴長短脚犬種

ウェルッシュコーギーやダックスフンドなど胴が長く、足が短い犬種はヘルニアに注意が必要です。胴が長い分、脊椎の負担はどうしても大きくなります。また食欲が旺盛な犬種でもあるので、ご飯を与えすぎて、体重過多にならないよう管理が必要です。しっかりとした運動管理で丈夫な骨格と筋力をつけて関節を守り、しっかりとして体重管理を行うことで関節への負担を軽減させる工夫が重要です。


短頭種

頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短い犬種を(短頭種)と呼びます。ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、シーズーなどが代表犬種です。気道がとても狭いので、音を立てながら呼吸することが多いのです。そのため暑さにも弱く、特に夏場は外での運動には注意が必要です。とはいえ、最近人気のフレンチ・ブルドッグはその欲求を満たすためにも豊富な運動量が必要とされています。
暑さを避ける習慣からつい運動不足になり、それによって肥満や筋力不足となり、無理な体の動きがもとでヘルニアとなってしまうことがあります。
運動は内容と時間に十分配慮しながら行うことと、肥満にならないよう体重管理をしっかりと行うことで、初めてガッシリとした凛々しい体格を維持することができるのです。


柴犬

私たちにもっとも馴染みのある犬は日本原産の犬「柴犬」といっても過言ではありません。最近、小型の柴犬が主流になり人気に火がついています。
もともと猟犬をルーツに持つこの犬種は飼い主にとても忠実である反面、嫌である行為を強く主張する少々頑固な気質ももっています。
屋内で暮らすことが多くなった近年の生活様式を考えると、日々のお手入れである「ブラッシング」「爪切り」が必要不可欠です。しかしながら、これらの行為を楽しい、嬉しいと感じている犬はあまり多くありません。
手先、足先、口元などの末端部分を幼少の頃から積極的に触れる練習を行うことで、この行為が生活の一部として、抵抗なく行えるようにすると良いでしょう。

幼少の頃から様々な体験をすることは、成犬となる過程でとても大切なことです。愛犬は自ら行きたい場所を指定しません。飼い主のアクテビティがそのまま愛犬の社交性の度合いに反映されるとも言えます。
より多くの環境下に身を置き、経験を積むことは、警戒心を取り除き精神的にも安定した犬となる為にも必要不可欠です。

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