オオカミの群れが人間の残飯にありつくために、狩猟民族の集落の外れに移動したことで家畜化が進んだとされています。
後に家畜や穀物などの「人の資源」を害獣から守るため、更に家畜化を進めた経緯があります。
生活様式も発達した近代においては犬たちの特質した能力を訓練し、鍛え上げることで狩猟、牧羊、使役犬と、犬の役割を様々な用途へ変化させ、活躍の場を広げることになります。
現代では、IT技術の発達により活躍の場は減ってはいるものの、その能力が及ばないジャンルもあり活躍の場は完全には消滅していません。変わって、愛玩動物としての役割が目立つようになってきました。
近年、祖先は「オオカミ」であると言う説が有力となりました。その習性において、酷似している点が多いからです。
オオカミは、群れで行動する習性があります。自分または群れが生き残るために行動しており、リーダーは群れを守るために全身全霊で敵に立ち向かいます。
常時、神経を尖らせており、精神的にも張り詰めた状態となりますので、群のリーダーとなった個体の寿命は短かったようです。
野生の世界では、群れが生き残るために「主従関係」を常に意識していました。特に協調性を重要視した「信頼関係」を築くことこそが、群れとして生き残るための重要な要素と言えます。
以上のことから家庭犬として飼育する中で、愛犬の立ち位置を「リーダー」とすることは、あまりお勧めできません。
たしかに優位、劣位という立場は、家族間でもあるように、犬の群れの中にも存在します。
学校生活を例えとして、それを「群れ」としてイメージしてみると理解しやすくなります。
この群れのリーダーは先生、その下にはクラス委員→班長→生徒と続きます。
飼い主が「先生」、愛犬は「生徒」のポジションが望ましい形です。
学校生活の中で「好きな先生」「苦手な先生」からの依頼はあまり気が進まなかった記憶があります。飼い主は「群れのリーダー」となる上で、「好きな先生」となるために、単なる上下の関係ではない、より強い信頼関係を構築することが重要だということも明白です。安心できる群れの中で生活できることは、精神的にも余裕ができますので愛犬の性格はより穏やかになり、落ち着いた子となるでしょう。
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